土曜日, 8月 29, 2020

FM Cooking : 応用 2 単純波形でガバキックづくり

  応用 2 は基礎 1 でやった正弦波 (サイン波/サインウェイブ) キックでガバキックを創る方法を解説します。ちょちょ~カンタンです。 (以降、基礎 1 のコピペ) 正弦波を出せる音源ならなんでもイケます。単純な波形ならキックに使えるので (鳴らし方のほうが重要なんです) 、矩形波でもイケます。きっと。たぶん。おそらく。三角やノコはキックには不向きなのでポイッ。

 やり方はキックを最大音量で多重にして音割れさせるだけ、です。ハイ終わり。解説の必要はありませんが、底抜けに親切なわたしがおさらいがてら、基礎 1 をコピペしつつはなくほほじりならてきと~なことを書いていきます。


音色はこうだ


 基本パラメーター云々ははしょります。 Z-Music V2 の書式だと以下です。

(@1
/ AR  DR SR  RR  SL    TL KS  ML DT1 DT2 AME
  31, 00, 00, 06, 00, 000,  0, 02,   0,   0,   0
  31, 00, 00, 05, 00, 000,  0, 02,   0,   0,   0
  31, 00, 00, 07, 00, 000,  0, 02,   0,   0,   0
  31, 00, 00, 07, 00, 000,  0, 02,   0,   0,   0
/ AL  FB OM
  07, 00, 15)

 RR だけ緩めました。


鳴らし方はこうだ


 基礎キックでさんざん書いたのでこれもはしょります。鳴らし方を Z-Music V2 の MML で書くと以下です。

(t8) @v115@125q8o2l32 (f+,>e)&(e,>>f+)r8.<<<

 

これをこうしてこうだ

 こう↓です


(t6,7,8) @v127@1q8o2l32
(t6) @k-1
(t7) @k0
(t8) @k+1
(t6,7,8) (f+,>e)&(e,>>f+)r8.<<<

 最初の行で最大音量 (@v127) にして、さきほどの音色を指定して (@1) に、デホルト値 (q8 = ゲートタイム最大, o2 = オクターブ 2, l32 = 音価 32 分音符) をセットしました。

 その次の行から 3 行は基礎 4 の「分厚くする」でやったデチューンをちょいズラすやつです。めんどかったら省いちゃっても構いません。

 そしていつものポルタメントでドスン!です。イイカンジに音割れしてガバキックになっているはずです。割れ過ぎなら音量を下げましょう。音割れしない場合はトラックを増やしましょう。

 こんだけです。ヤダカンタン! 正弦波よりも矩形波 (スクウェアウェイヴ) のほうがガバキックに適しておりますので、そちらもゼシお試しください。


大事なことはこうだ

 音割れガバキックはアナログ出力の機器 (アナログで音割れ) でないとおそらくできません。DAC とオーヂオ回路は再現されないエミュレーターや、ソフトシンセではイイカンジの音割れにはならず、耳障りなデズタルクリップ? (バチバチッていう割れ方) になってしまうはずです。ので。実機を使いましょう。ゲームボーヤとかでもできる!はず!



 次回は応用 1 と 2 を組み合わせてエグいガバキックづくりの解説をします。伏線回収ってやつですね!ヒャッホイ!


木曜日, 8月 27, 2020

FM Cooking : 応用 1 ガバキックづくり

 応用 1 はガバキックづくりの方法を解説します。基礎 1-4 を活用すれば素の音でバインバインのガバキックを創れます。

 しかしながら、基礎 3-4 にも増して 68 べったりな解説となりますので、それ以外の音源ユーザーはどうしょもないので、がんばって脳内置換してください。 4-Op. 以上ならイケるはずです。2-Op. とかはちょっとキビしそう (無理ではない!できる前提で考えよう) 。とりあえずやってみてください。


音色はこうなのよ


 ガバキックの鳴らし方は基礎キックの鳴らし方とだいたい同じなのでコピペでオケです。ガバキックは音色パラメーターのほうが重要です。基本的なパは以下の通り。

  • ALG=5 FB=7 MUL=4 2 2 2
  • OP1: AR=31 DR=0 SR=10 RR=4 SL=0 TL=25
  • OP2-4: ADS は ENV 波形が四角に近い形になるよう AR=31 DR=00 SR=00 SL=00  TL=00。RR は 7-8 くらい。


 Z-Music V2 の書式だと以下です。


(@126
/ AR DR  SR  RR  SL    TL  KS  ML DT1 DT2 AME
  31, 00, 10, 04, 00, 025,  0, 04,   0,  0,   0
  31, 00, 00, 07, 00, 000,  0, 02,   0,  0,   0
  31, 00, 00, 07, 00, 000,  0, 02,   0,  0,   0
  31, 00, 00, 08, 00, 000,  0, 02,   0,  0,   0
/ AL FB  OM
  05, 07, 15)

 

 ALG/FB は基礎いキック同様 ALG=5-7 FB=0-5 も使えますが、調整が鬼ムズなンで ALG=5 FB=7 で固定します。今は、ね…。

 基礎解説のときと同様、てきと~に鳴らすと基礎 2 ときの音より強めなことがわかると思います。ワクワクダネ!


鳴らし方はこうなのよ


 基礎キックと同じく、アタック相当のポルタメント F2 → D1 (32 分音符の長さ) と、サスティンの相当ポ D1 → F-1 (32 分音符の長さ) をタイでつなぐ (ふたつ分のポで 16 分音符の長さ) です。何度も何度も同じことを!

 Z-Music V2 の書式もおんなじでょ~す↓

(t8) @126@v127 q8o2l32 (f,>e)&(e,>f+)r8.<<

 よく見たら同じではないですね。ポ2のエンドーが 1 オクターブ上がっております。

 GK は低域を効かせるよりも音のエグさを際立たせたほうが良いので、聞こえやすいオクターブにしときます。a あたりまでアゲちゃってヨシ。低域も効かせたいなら空いてるトラックを使ってください。


パラメーター調整なのよ


 鳴らし方は固定にしちゃって、とっとととっとパラメーター解説をやってまいります。基礎キックとは異なるパラメーターを調整しますよ。

 基礎のときと同様、OP1 のパラメーターだけいじればオケイですけど、複数のパラを連動させるように調整しなくてはならないので、基礎キックの調整よりもムズイですが簡単です。調整箇所は以下の通り。

(@126
/ AR DR  SR  RR  SL    TL  KS  ML DT1 DT2 AME
  31, 00, 10, 04, 00, 025,  0, 04,   0,  0,   0
  31, 00, 00, 07, 00, 000,  0, 02,   0,  0,   0
  31, 00, 00, 07, 00, 000,  0, 02,   0,  0,   0
  31, 00, 00, 08, 00, 000,  0, 02,   0,  0,   0
/ AL FB  OM
  05, 07, 15)

 通常キックよりも調整箇所が少ないのでお子様にも《安心》です。

 値は ±1 づつ微調整したりしなかったりしてください。パ調は少しづつじっくりやるのがコツですが、GK の場合はざっくり変えちゃってもけっこうイケることがあるので、お好きなように、赴くままに、エグみを探求してください。

 ガバキック用音色として実効がある OP1 のパラメーターの範囲は以下の通り。カッコ内の値は俺平均値です。


FB=6-7 TL=5-30 (FB=7 TL=25)

  エグさ・派手さ・質感・重量感に大きく関わります。このふたつのバランス調整が最もムズいところですが、すぐに慣れます。平均値の ALG=5 FB=7 TL=25 を微調整していく方向で解説してまいります。まずは TL のアゲサゲについてを。

 TL=23 以上にするとエグさ・派手さは薄れていき、重量感が増していってガバキックっぽさは薄れていきます。30 以上でふつうのキックっぽくなります。

 14 あたりが特異点的な値で、14 以下に下げていく (パラメーターの意味としては上げてます。ややこしい!) と、どんどんノイズィでガインガインな音になります。

 11 以下はほとんどノイズです。7 がギリ使えるとこですが、使える使えないは人それぞれなので、気にせずどんどんサゲちゃってください。

  ノイズィ状態で FB を 6 に下げるとガラっと音が変わり、特異点的な値が低くなり、調整の幅が広がります。特異点的な値が低くなるってことは TL を高くすることができる=音がデカくなる効果もある。です。

 FB/TL は MUL の値によっても印象が大きく変わりますので、MUL のことも大事に思ってあげてください。あいつはイイやつだ。仲良くしてやってくれよな。


ALG=5-6 (ALG=5)

   気分で 6 に変えてみたりしてください。5 以上にするとエグさ・派手さは出にくくくなります。7 は GK じゃ使いませんね、あたしゃね。

 

MUL=1-4 DT2=0-3 (MUL=4 2 2 2 DT2=0)

 エグさ・派手さ・質感・重量感に大きく関わります。3 2 2 2 にして DT2 を 1 以上にすると、ぐっとエグさ・派手さが増します。マシマシです。MUL が偶数値でも DT2 を効かせちゃっていいのよ。

 もっと書くことがあったような気がするので思い出したら書きます。

 

SR=4-20 RR=2-7 (SR=10 RR=4)

  エグさの強弱・重量感・ハネ感・残響に関わります。FB/TL をキメた後に質感の強弱やアタック感を調整する感じで。FB/TL をいくらいじくってもイイカンジにならない場合、SR/RR のバランスを調整することでウィ~カンジになることが多々あります。

 SR は 15 以下に下げると、TL の値によってはノイズが強まります。程よくバインバイン鳴るように調整してください。ノイズィでギャインギャインいわしたいならサゲサゲで。

 RR は値が低いほど派手な残響になります (OP2-4 も伸ばしてね) 。「ブ~~ウン」みたいな。値が高いとハネ感が増します。 「ボンッ」みたいな。OP2-4 の RR が短めなので RR=4 でも間延びしないってわけです。なるほどですね!


 基本的なことは以上です。基礎のキックづくりより扱うパラメーターが少なく、鳴らし方も今のところ固定で簡単そうっぽいですが、パラごとの実効範囲が広い (深い?) く、パの連携?がとても重要なので、基礎キックより調整はムズいです、ぶちゃけ。



木曜日, 8月 20, 2020

FM Cooking : 基礎 4 多彩なキックづくり・打ち方編

[Update] Sat Aug 22 16:05:18 JST 2020: 相対オクターブの位置を揃えた。若干の書き直し。


 基礎 4 は多彩なキックの打ち方 (鳴らし方) について解説します。ほぼ Z-Music V2 の MML 解説になってしまうので DAW やトラッカー使いにはチンプルカンプルですし、Z-Music V2 以外の音源ドリヴァとも書式が異るので、そこは (個人的に) 割り切ってマイペースで進めてまいります。それなりに気配りはしようと思ってはいます。


 音色パラメーターは基礎 3 のやつっぽいの (チョットダケ変えました) を使います。今回は音色パラメーターの調整はしません (するかもしれません) 。とりあえず以下に貼っつけときます。


(@125
/ AR  DR  SR  RR  SL    TL  KS  ML DT1 DT2 AME
   28, 28, 20, 07, 11, 000,  0, 01,   0,   0,   0
   31, 00, 00, 08, 00, 000,  0, 02,   0,   0,   0
   31, 00, 00, 08, 00, 000,  0, 02,   0,   0,   0
   31, 00, 00, 08, 00, 000,  0, 01,   0,   0,   0
AL  FB  OM
   05, 00, 15)


 基本の鳴らし方は、基礎 1-3 同様、アタック相当のポルタメント F2 → D1 (32 分音符の長さ) と、サスティン相当ポ D1 → F#-1 (32 分音符の長さ) をタイでつなぐ (ふたつ分のポで 16 分音符の長さ) 。です。くそ長ったらしくてわかりづらいんで、以下のように表現します。

アタッポ F2 → D1 からの~ サスポ D1 → F#-1 《なる早で》

 これはこれでわかりづらいのでやっぱ止めます。その都度かみ砕いて解説します。このあたしがね!

 鳴らし方を Z-Music V2 の MML で書くと以下です。

(t8) @v115@125q8o2l32 (f,>e)&(e,>>f+)r8.<<<

 これを基準とします。デホルト値 (@v115@125q8o2l32 = 絶対音量値 115・音色番号 125・ゲートタイム最大・オクターブ 2・音価 32 分音符) は省略しますので頭に入れといてください。


鳴らし方いろいろ


 以下、音価、ステップ数、音名が入り乱れますが、そのうち慣れます。調整箇所は色を付けるよう心がけますが、つけ忘れもあるかと思いますので、気になるようでしたら気にしてください。

 尚、ほとんど勘で書いてますが大丈夫です。実機 (2 台とも修理中だと何度も書いてますが! (確認したところ 3 度書いてました。目角を立てるほどのことではないですね) ) が戻ってきたら確認します。


アタックの強弱


 ポ1のスタートキーをアゲサゲしたり、ポ1のエンドキーとポ2のスタートキーをアゲサゲしたりします。以下の様↓

(t8)  (f,>e)&(e,>>f+)r8.<<<

(t8)  (g,>f+)&(f+,>>f+)r8.<<<


 ポ1のスタートキーとエンドキー両方をアゲてアタックを強めました。音を上げただけでアタックが強まるのは「高い音=聞こえやすい=強く聞こえる=強い!」みたいなことです。お年寄りにも配慮が為されていて安心ですね。逆に弱める場合は以下のように。

(t8)  (f,>e)&(e,>>f+)r8.<<<

↓ 

(t8)  (>a,d)&(d,>>f+)r8.<<<

 ポ1のスタートキーを F2 から A1 に下げて、エンドキーを D1 に下げました。通常こんな一気に下げません。鳴りを確かめながら半音づつ下げてってくださいね。お願いしますよ、ほんとにもう。

 音量のアゲサゲで強調/弱調? (強調の対義語がわかりません) する方法もあります。以下。 

(t8)  (f,>e)&(e,>>f+)r8.<<<

↓ 

(t8)  ~3(f,>e)_&(e,>>f+)r8.<<<

  ポ1の直前で相対ボリュームを用いて +3 して、ポ1直後に -3 しました。逆のことをすれば弱まります。アゲ/サゲしっぱなしにご注意を。スタートキー/エンドキーのアゲサゲと併用すると、より細やかな調整が可能です。ワーオ。

 

重い感じにする


 ポ2のエンドキーと休符をつなぐと「ズンーー」みたいに重い感じになります。キーオフしてもタイで繋がっていれば、それが休符であっても鳴り続ける仕様を活用したものです。R=15 でも一時的に残響を伸ばしたい場合にも使えます。

(t8)  (f,>e)&(e,>>f+)r8.<<<

↓ 

(t8)  (f,>e)&(e,>>f+)&r8.<<<

 「ズンーー」の「ンーー」を伸ばしたい場合は休符を伸ばすなり、次の休符もタイでつなげばヨシ。

 

もっと重い感じにする


 ポ2の後の休符の長さをポ2に加算すると「ドゥーーーーンーー」みたいな感じになります。

(t8)  (f,>e)&(e,>>f+)r8.<<<

↓ 

(t8)  (f,>e)&(e*42,>>f+)<<<

 *42 はステップ数で、32 分音符 (*6) + 付点8分音符 (*36) を足した値です。

 

もっともっと重い感じにする


 ポ1とポ2を合体して、スタートキーを低く、エンドキーもぎりぎりまで低くすると、「ボゥーーーーーーンー」みたいな感じになります。サブベイスをピッチベンドするイメージで。イメージと言うかそのものだ!ポルタメントで書く必要は無い!

(t8)  (f,>e)&(e,>>f+)r8.<<<

↓ 

(t8)  (c4,>>>d+)<<<

 以下のように動きをつけるとアクセントによくってよ。

(t8)  (>c*5,<f+)&(f+*3,e)&(e*40,>>d+)<<

 C1 から F2 まで 5 ステップで移動し、F#1 から E1 まで 3 ステップで移動、E1 から F#-1 まで 40 ステップで移動。合わせて 4 分音符の長さです。トラップとかでよく使われるベイスっぽいやつです。

 

跳ねる感じにする


 ポ1を短くします。

(t8)  (f,>e)&(e,>>f+)r8.<<<

(t8)  (f*4,>e)&(e,>>e)r*2r8.<<<


 ポ1のスタートキーを 2 ステップ縮めて、ポ2の後に 2 ステ長の休符を入れ、ポ2エンドキーをちょいサゲました。以下のような書き方もアリです。

(t8)  (f,>e)&(e,>>f+)r8.<<<

(t8)  (f*4,>e)&(e*8,>>e)r8.<<< 

 ポ1のスタートキーを 2 ステップ縮めて、ポ2のスタートキーにそれを加算して 8 ステにしました。「ドゥンッ」 みたいな鳴り方になるはずです。

 ポ2も短くしてよりハネッハネッに。

(t8)  (f,>e)&(e,>>f+)r8.<<<

(t8)  (f*4,>e)&(e*5,>>e)r*3r8.<<< 

 ポ1を -2 ステ、ポ2を -1 し、ポ2の直後に削り取った長さ分の休符を置いて音がズレないよう処理をします。これをやっとかないと音がズレまくりなので、ステップ数の取り扱いは慎重かつ正確に行ってください。

 上記に加えて q も使って微調整します。これは鳴らし方調整の前にやることです。先に書いておくべき事柄なので上の方に移動したいのですが、ま・いっか。

 

分厚くする


 音を重ねる=厚みが増す=単純明快! 具体的には多重にしてデチューンを少しズラすのがポインヨです。音量に注意してネ。

(t8)  (f,>e)&(e,>>f+)r8.<<<

(t7) @v115 @125 @k0
(t8) @v115 @125 @k-1
(t7,8) (f,>e)&(e,>>f+)r8.<<<

 @k はデチューンを変えるやつ (キートランスポーズだかなんだか御大層な名前がついてます。アットケーでいいじゃないか) です。これも音色パラメーターや音の高さ同様、±1 づつ微調整します。 ±32 で半音アゲサゲです (8192 くらいまで指定できた気がしますが、気のせいの可能性大) 。@k0 は無変更 (元に戻す) ってことです。

 サンプリングして使うなら、マックスで 8 重にすることも可能。 

(t1,2,3,4,5,6,7,8) @v110 @125
(t1) @k-3
(t2) @k-2
(t3) @k-1
(t4) @k0
(t5) @k+1
(t6) @k+2
(t7) @k+3
(t8) @k+4
(t1,2,3,4,5,6,7,8) (f,>e)&(e,>>f+)r8.<<<

 デチューンをちょこっとづつズラすのがポインヨ。8 トラも使えばそうとう分厚いキックが鳴りますけど、4 トラックあれば十分です。


際立ってはいないが存在感はあり、穏やかでありながら力強く、えびの甘みもしっかり感じられる


 ややこしいので基礎 5 でやります。 


 基礎的な鳴らし方は以上です (意訳 : 飽きてきた) 。

 それぞれは別々のことではないので、あれこれ組み合わせ、自分だけのキックを独創してライバルに差をつけたりつけられたりしてください。「こんなことやらんわボケ」を積極的にやるのがコツ。

 キックの調整はすべての音がなっている状態 (曲を鳴らして) で行ってください。キック単音でキメキメに調整すると、曲を組んだときにしつこくなったり、違和感を与える奇異なもの (異物) 感が漂ってしまう傾向があります。FM 音源の原音で曲を創るなら尚のこと、ゆめゆめご留意を。 (←「ゆめゆめ」を使いたかっただけです)


まとめ


 以前も書きましたが、音色と鳴らし方を合わせて「音づくり」なので、基礎 4 と 3 、あるいは基礎 3 と 4 を組み合わせることで真価を発揮します。変幻自在の暗中模索です。

 よろしくお願いします。


土曜日, 8月 08, 2020

FM Cooking : 基礎 3 多彩なキックづくり・音色編

[Update] Fri Aug 14 19:06:46 JST 2020: X68000 内蔵音源の YM2151 のパラメーター調整であることを明示。MML の具体例をより簡素に。


 基礎 3 は多彩なキックづくりのための音色パラメーターの調整方法を解説します。わたしは X68000 内蔵音源の YM2151 しか使ったことがないので、68 べったりな解説となりますゆえ、それ以外の FM 音源ユーザーは脳内置換でなんとかしてください。4-Op. 以上なら同等のキックを創れるはずです。特に重要なアルゴリズムについてはてきと~にぐぐって確認をば。


 キックの鳴らし方は基礎 1-2 と同じです。今回は、基礎 2 の基本パラメーターを基準に調整をしてまいります。OP1 だけ調整すればよしですが、OP2-4 も少しいぢくります。チョットダケ。

 OP2-4 の ADS と TL は基礎 2 同様 AR=31 DR=00 SR=00 TL=00 です。MUL は 1 か 2 で、重低音でキックを轟かせたい場合に 1 を指定しますが、その場合は他のパラメタや MML も絡んで頭がフットサルになってしまうので、とりあえず MUL=2 にしときます。

 キック用の音色に使える ALG/FB は ALG=5-7 FB=0-5 です。このふたつは質感と印象に大きく関わる重要なパラメーターです。解説は後回しにして、とりあえずディヴァスィティでパウワフオなキックを創れる ALG=5 FB=4 に絞ります。TL は 0 (最大値) でオケーイ。

 ADSR の調整はちょっと細かいので、ひとまず以下のパラメーターにします。

AR=28 DR=28 SR=16 RR=7 SL=11

 各パについては後ほど。以上まとめると、以下の様。鳴らし方もついでに貼っときます (基礎 1-2 と同じです)。


  • ALG=5 FB=4
  • OP1: AR=28 DR=28 SR=16 RR=7 SL=11
  • OP2-4: ADS は ENV 波形が四角に近い形になるよう AR=31 DR=00 SR=00 に。SL=00 RR=8
  • OP1-4: TL は最大値。MUL=2 2 2 2

鳴らし方: アタック相当のポルタメント F2 → D1 (32 分音符の長さ) と、サスティンの相当ポ D1 → F-1 (32 分音符の長さ) をタイでつなぐ (ふたつ分のポで 16 分音符の長さ)


 これでいい感じに「ドゥンッ」と跳ね系キックが鳴るはずです。AR と DR を少し緩めたところがポインヨ。これによってアタック感を強めています。緩めたのに強まる不思議については後ほどで。

 Z-Music V2 の MML で書くと以下です。


(@125
/ AR  DR  SR  RR  SL    TL KS  ML DT1 DT2 AME
   28, 28, 16, 07, 11, 000,  0, 02,   0,   0,   0
   31, 00, 00, 08, 00, 000,  0, 02,   0,   0,   0
   31, 00, 00, 08, 00, 000,  0, 02,   0,   0,   0
   31, 00, 00, 08, 00, 000,  0, 02,   0,   0,   0
AL  FB  OM
   05, 04, 15)

(t8) @125 q8o2l32 (c,>d)&(d,>>f)r8.<<<


 調整するパラメーターに色を付けときました。数列ババーン!だとグヘエ~となってやる気が失せますが、キックに関してはこれだけイヂればオケなんです。アラカンタン!

 このキックは分解系レコーズからリリースした dendel voil (スペシャルサイト) に収録した Nonstoeja という曲で使ってるキックです。解説のために少し変えてありますが、だいたい同じです。


パラメーターの調整


 基本的に OP1 だけ調整すればヨシで、OP2-4 は MUL か RR を調整するときだけイヂります。

 キック用音色として実効がある OP1 のパラメーターの範囲は以下の通り。カッコ内の値は俺基準値です。値は ±1 づつ微調整してください。一気にゴリっと変えるのはノン! 少しづつ、じっくりやるのがコツ。


ALG=5-7 FB=0-5 (ALG=5 FB=4)


 質感・印象に大きく関わる重要パラメーターです。ALG は値が高いほどやわらかな感じになり、他のパラメーターを調整しても代わり映えしなくなるので、基本 ALG=5 です。ALG=5 で他のパラメーターを調整した後、ALG=6 にしても割とイケます。ALG=7 は単純なキックしか創れませんが、低域がきれいに出ます。

 ちなみに ALG=0-4 はキックには使えませんのでポイッ。

 FB は値が低いとマットな質感に、高いとパキッとした質感?になります。6 以上は調整がムツカシ (ノイズになりやすい) ため、0 から 5 がベター。あれこれ試すのがめんど~なら 4 か 5 で。4 か 5 でもけっこう印象が変わります。二択もめんど~~という上級社会人様は FB=4 にしてください。

 6 以上はガバキックづくりのときに活躍します。今は封印しときましょう。

 FB をへたくそな例えで表すなら以下の有様です。

    1. 0 ... プレーンヨーグルト
    2. 1 ... プレーンヨーグルト+
    3. 2 ... プレーンヨーグルト…いや待てよ……これは…
    4. 3 ... プレーンヨーグルトではない
    5. 4 ... パリパリバー
    6. 5 ... ジャイアントコーン クッキー&チョコ味
    7. 6 ... 【封印】
    8. 7 ... 【封印】

 番号付きリストにしてしまって見づらい!なんてこった!


MUL=2 2 2 2 (MUL=1 2 2 1)


 印象・音圧・重量感・に大きく関わります。キック用の音色では 5 以上はよほどのことが無い限り使いませんので、今ちょうどよほどのことになってる方は 5 以上にチャレンジしてください。

 偶数で揃えないと音圧の塩梅が良くないんで、4 2 2 2 か 2 2 2 2 になっちゃいます。奇数はガバキックのときに使います。

 OP2-4 は 1 か 2 です。俺基準値では OP4 が 1 となってますが、明瞭な理由はありません。聞いた感じが良かったのでそうしました。カッとなってヤッた的な。

 0 は音が聞こえなくなっちゃうんでめったに使いません。0 0 0 0 とかやってみればいいよ!鳴んないから!


AR=27-31 DR=27-31 (AR=29 DR=30)


 このふたつはアタック感に関わります。値をサゲればアタック感が強まり、アゲればアタック感は弱まります。値を最大値にすれば ENV 波形は直角に立ち上がって速いアタックになりますが「速い=強い」ではないのでご注意を。

 27 より下げるとキックっぽさが薄れていき、24 以下に下げるとチャランポランな風情が漂ってまいりますが、使い方次第で面白いキックになる可能性を秘めています。変だと感じた音から新しい音が生まれるものなので、変になっても赴くまま突き進んでください。←ココ!大事なとこ!


SR=10-20 SL=9-14 (SR=15 SL=11)


 鋭さ・跳ね感・重量感に関わります。SR をサゲると重量感が増し、アゲるとシュッとしたキックになります。アゲすぎるとアタック感を弱めてしまうので注意。バランスが大事です。

 SL は SR のかかり具合です。SR より SL の値が高いとよくわかんない感じになります。わたしもよくわかっていません。

 SL の値が低いほど SR のかかり具合が緩くなり、値を高くするとシュッ!となります (?) 。 SR が 18 以上だと SL は効かなくなります。よくわかんないんで SL=10 でいいです。 


RR=3-11 (RR=8)


 鋭さ・重量感・残響に関わります。サゲると重量感と残響が増し、アゲるとシュッとしたキックになります。アゲすぎるとアタック感を弱めてしまうのでバラ大です。

 値をサゲた場合は OP2-4 もそれに伴うようサゲます。より重量感を増したい場合は RR=3 5 6 7 などとします。値が 1 づつ多くなっていると、残響がイ~カンジになります。こういったビミョーな加減が曲全体の雰囲気に影響します。



AR と DR を緩めたのにアタック感が強まる不思議について


 OP2-4 は AR=31 DR=31 なので発音と同時に音が鳴ります。AR DR を緩めた OP1 の音は僅かに遅れて鳴ります。僅かに遅れて鳴る音を ENV 波形のふたつ目の頂点と捉えると、アタック感が強まるカラクリがぼんやりとわかるんじゃないでしょうか。

 この理屈は誤っている可能性が高いので無視してください。わたくしもよくわかっておりませんブチャケ。


DT2=0-1(MUL=3の場合)



金曜日, 8月 07, 2020

FM Cooking : 基礎 2 キック用音色でキックづくり

[Update] Fri Aug 14 04:53:10 JST 2020: 解説の前提は X68000 内蔵音源の YM2151 であることを明示


 基礎 2 はキック用に調整した音色でのキックの創り方を解説します。要領は基礎 1 の正弦波キックと同じですが、解説の前提が X68000 内蔵音源の YM2151 と狭まり、汎用性はグッと低まります。それ以外の FM 音源を使っている方は脳内置換でなんとかしてください。

 音色の概要は以下の通り。

  • 基本パラメーター: ALG=5 FB=4 MUL=4 2 2 2
  • OP1: AR=31 DR=31 SR=31 RR=8 SL=11 TL=0
  • OP2-4: ADS は ENV 波形が四角に近い形になるよう AR=31 DR=00 SR=00 で TL は最大値。RR=7-9 くらい
  • その他パラメーターは最低値か最大値 (効かないようにしておく) でよし


 Z-Music V2 の書式だと以下です。

(@125
/ AR DR  SR RR  SL    TL  KS  ML DT1 DT2 AME
  31, 31, 31 8, 11, 000,  0, 04,   0,   0,   0
  31, 00, 00,  9, 00, 000,  0, 02,   0,   0,   0
  31, 00, 00,  9, 00, 000,  0, 02,   0,   0,   0
  31, 00, 00,  9, 00, 000,  0, 02,   0,   0,   0
/ AL  FB OM
  05, 04, 15)


 色付きのパラメーターが大事なとこです。パラメーターの調整は、今回はやりません。「オペレーター 1 のパラメーターが大事」ってことだけ覚えといてください。

 この音色をてきと~に鳴らすと (たとえばオクターブ 3 の f++++ を 48/192 ステップで) ホーー~ンみたいな音が鳴ります (実機は修理中で確認してませんが) 。基礎 1 のポーーとは異なる音になってますね。はいなっています! (ここらへんに音)


 基礎 1 と同様、オクターブをかなり低くするとサブ… (中略) …イスのような音になるので、キックの音色として使えることが薄らぼんやりわかると思いますし、キック用に調整した音色なのだから当然です。そんなこと言わなくてもわかるでしょ!モ!

 またまた基礎 1 と同様に、この音を 32 分音符のポルタメントふたつに分け、タイでつなげ、16 分音符の長さで (短時間で) 音を大きく素早く移動させます (ピッチベンドでもいいのよって基礎 1 でも書きました) 。これによって強力なエンベロープ的なものを作ります。具体的には以下の通り。

  • ポ1 (アタック相当): F2 → D1
  • ポ2 (サスティン相当): D1 → F-1
  • 注) ポ1のエンドキーとポ2のスタートキーを合わせるのだ!必ずだ! (多少ずれていても何ら支障ありませんので、このように語気を荒らげるのはみっともないですね)


 だいぶキック感が強まりました (実機は修理中で確認してませんが。何度も言わせないでください) 。 (ここらへんに音)

 基本的に q8 (MML におけるゲートタイム的なやつで、値が大きいほど発音時間が伸びる) です。鋭く打ちたい場合は q3 などとします。重量感を増したい場合は OP2 の RR を緩めます。キックの後に休符を置いておくも忘れずに。もっと重量マシマシにしたいなら OP1 の RR も緩めます。もっともっと~!は基礎 3 でやります。

 音色パラメーターと MML がごっちゃになってきましたが、どちらも合わせて「音づくり」なので、そういうもんだと割り切りましょう。

 基礎 2 は以上です。要点は↓


音色パラメーターと MML どちらも合わせて「音づくり」。あと RR はけっこう大事 


 です。なるほどですね!


木曜日, 8月 06, 2020

FM Cooking : 基礎 1 単純波形でキックづくり

[Update] Sat Aug 22 15:58:06 JST 2020: 「音を移動」を「音高を移動」に訂正。


 本解説は「書いてある通りにやればかっこいい音が出る」ことを目的としております。パラメーターの意味や、FM 音源の仕組み、MML、生命、宇宙などのこまっかい説明は全てキャットして参りますゆえ、ご了承ください。はいわかりました!


 基礎 1 は最も簡単な正弦波 (サイン波/サインウェイブ) キックの創り方を解説します。ちょ~カンタンです。正弦波を出せる音源ならなんでもイケます。単純な波形ならキックに使えるので (鳴らし方のほうが重要なんです) 、矩形波でもイケます。きっと。たぶん。おそらく。三角やノコはキックには不向きなのでポイッ。


音色はこうだ


 以下は FM 音源 (YM2151) で正弦波を出すための音色の概要です。単純な正弦波を出せればいいんで 2-Op. の FM 音源でもオケです。FM 音源以外を使っている方は読み飛ばしちゃってください。


  • 基本パラメーター: ALG=7 FB=0 MUL=2 2 2 2
  • OP1-4: ADSR は ENV 波形が四角くなるように AR=31 DR=00 SR=00 RR=15。TL は最大値
  • その他パラメーターは最低値か最大値 (効かないようにしておく) でよし

 Z-Music V2 の書式だと以下です。

(@1
/ AR  DR SR  RR  SL    TL KS  ML DT1 DT2 AME
  31, 00, 00, 15, 00, 000,  0, 02,   0,   0,   0
  31, 00, 00, 15, 00, 000,  0, 02,   0,   0,   0
  31, 00, 00, 15, 00, 000,  0, 02,   0,   0,   0
  31, 00, 00, 15, 00, 000,  0, 02,   0,   0,   0
/ AL  FB OM
  07, 00, 15)


 まず、この音色をてきと~に鳴らしてみます。たとえばオクターブ 3 の a を 4 分音符で (鳴らしたくないなら鳴らさなくてもいいよ!) 。ポーーというつまんない音が鳴ります。それで合ってます。 (ここらへんに音)


 オクターブをかなり低くするとサブベイスのような音になるので、キックの音色として使えることがぼんやりわかると思います。RR をちょい緩めておく (余韻をもたす) と、後々効いてきます。


鳴らし方はこうだ


 この音を 32 分音符のポルタメントふたつに分け (ふたつ合わせて 16 音符の長さ)、タイでつなげます (ピッチベンドでもいいのよ) 。これによって強力なエンベロープ的なものを作ります。ココ!大事なの!これによって強力なエンベロープ的なものを作るんですよ! 具体的には以下の通り。

  • ポ1 (アタック相当): F2 → D1
  • ポ2 (サスティン相当): D1 → F-1
  • 注) ポ1のエンドキーとポ2のスタートキーを合わせてね (合ってなくてもヨシ)

 16 分音符の長さ (短時間) で音高を大きく素早く移動させるのがポインッ! Z-Music V2 以外の MML や、DAW などでも同様な鳴り方をするはずです。きっと。たぶん。おそらく。いやしかし…ちょっと待てよ………ン~。

 MML だとポルタメントは必須ですが、それ以外の方法だと、短時間で音高を大きく素早く移動させられれれられらばれられば何でもオッケケ。「短鳴大動」が重要なんです。大事なことなので字をちっちゃくして見づらくしました。

 キックをセマンティクス風に「ドスン」としてポに当てはめるならば↓以下の様。

アタッポ : F1 → D1「ド」
サスポ : D1→ F-1 「スン」

 アタッポの移動は緩く、サスポは鋭く、みたいな感じです。鳴らしてみりゃわかります。

 正弦波キックはオペレーターひとつでもオケエイ (OM=8)。ALG はどれでもヨシ。直列 ALG のほうが鳴りがいいっぽい (試してみたけどどれも同じでした)


まとめるとこうだ



16 分音符の長さで (短時間で) 音高を大きく素早く移動さ 


 です。こんなけ~。アラカンタン!やってみてねっと。


【留意事項】本解説は X68k 用音源ドライバ Z-Music V2 (OPM と MML) しか使ったことがない者がしたためておりますゆえ、他機種ユーザーの方はてきと~に脳内置換などしてあれしてください。DAW でも活かせるよう気配りはしますが、どうなんすかね。

ギジツメモ

[Update] Sat Aug  8 22:03:52 JST 2020

このアーテクルは気が向いたときに更新する他人向け自分用メモです。