木曜日, 8月 20, 2020

FM Cooking : 基礎 4 多彩なキックづくり・打ち方編

[Update] Sat Aug 22 16:05:18 JST 2020: 相対オクターブの位置を揃えた。若干の書き直し。


 基礎 4 は多彩なキックの打ち方 (鳴らし方) について解説します。ほぼ Z-Music V2 の MML 解説になってしまうので DAW やトラッカー使いにはチンプルカンプルですし、Z-Music V2 以外の音源ドリヴァとも書式が異るので、そこは (個人的に) 割り切ってマイペースで進めてまいります。それなりに気配りはしようと思ってはいます。


 音色パラメーターは基礎 3 のやつっぽいの (チョットダケ変えました) を使います。今回は音色パラメーターの調整はしません (するかもしれません) 。とりあえず以下に貼っつけときます。


(@125
/ AR  DR  SR  RR  SL    TL  KS  ML DT1 DT2 AME
   28, 28, 20, 07, 11, 000,  0, 01,   0,   0,   0
   31, 00, 00, 08, 00, 000,  0, 02,   0,   0,   0
   31, 00, 00, 08, 00, 000,  0, 02,   0,   0,   0
   31, 00, 00, 08, 00, 000,  0, 01,   0,   0,   0
AL  FB  OM
   05, 00, 15)


 基本の鳴らし方は、基礎 1-3 同様、アタック相当のポルタメント F2 → D1 (32 分音符の長さ) と、サスティン相当ポ D1 → F#-1 (32 分音符の長さ) をタイでつなぐ (ふたつ分のポで 16 分音符の長さ) 。です。くそ長ったらしくてわかりづらいんで、以下のように表現します。

アタッポ F2 → D1 からの~ サスポ D1 → F#-1 《なる早で》

 これはこれでわかりづらいのでやっぱ止めます。その都度かみ砕いて解説します。このあたしがね!

 鳴らし方を Z-Music V2 の MML で書くと以下です。

(t8) @v115@125q8o2l32 (f,>e)&(e,>>f+)r8.<<<

 これを基準とします。デホルト値 (@v115@125q8o2l32 = 絶対音量値 115・音色番号 125・ゲートタイム最大・オクターブ 2・音価 32 分音符) は省略しますので頭に入れといてください。


鳴らし方いろいろ


 以下、音価、ステップ数、音名が入り乱れますが、そのうち慣れます。調整箇所は色を付けるよう心がけますが、つけ忘れもあるかと思いますので、気になるようでしたら気にしてください。

 尚、ほとんど勘で書いてますが大丈夫です。実機 (2 台とも修理中だと何度も書いてますが! (確認したところ 3 度書いてました。目角を立てるほどのことではないですね) ) が戻ってきたら確認します。


アタックの強弱


 ポ1のスタートキーをアゲサゲしたり、ポ1のエンドキーとポ2のスタートキーをアゲサゲしたりします。以下の様↓

(t8)  (f,>e)&(e,>>f+)r8.<<<

(t8)  (g,>f+)&(f+,>>f+)r8.<<<


 ポ1のスタートキーとエンドキー両方をアゲてアタックを強めました。音を上げただけでアタックが強まるのは「高い音=聞こえやすい=強く聞こえる=強い!」みたいなことです。お年寄りにも配慮が為されていて安心ですね。逆に弱める場合は以下のように。

(t8)  (f,>e)&(e,>>f+)r8.<<<

↓ 

(t8)  (>a,d)&(d,>>f+)r8.<<<

 ポ1のスタートキーを F2 から A1 に下げて、エンドキーを D1 に下げました。通常こんな一気に下げません。鳴りを確かめながら半音づつ下げてってくださいね。お願いしますよ、ほんとにもう。

 音量のアゲサゲで強調/弱調? (強調の対義語がわかりません) する方法もあります。以下。 

(t8)  (f,>e)&(e,>>f+)r8.<<<

↓ 

(t8)  ~3(f,>e)_&(e,>>f+)r8.<<<

  ポ1の直前で相対ボリュームを用いて +3 して、ポ1直後に -3 しました。逆のことをすれば弱まります。アゲ/サゲしっぱなしにご注意を。スタートキー/エンドキーのアゲサゲと併用すると、より細やかな調整が可能です。ワーオ。

 

重い感じにする


 ポ2のエンドキーと休符をつなぐと「ズンーー」みたいに重い感じになります。キーオフしてもタイで繋がっていれば、それが休符であっても鳴り続ける仕様を活用したものです。R=15 でも一時的に残響を伸ばしたい場合にも使えます。

(t8)  (f,>e)&(e,>>f+)r8.<<<

↓ 

(t8)  (f,>e)&(e,>>f+)&r8.<<<

 「ズンーー」の「ンーー」を伸ばしたい場合は休符を伸ばすなり、次の休符もタイでつなげばヨシ。

 

もっと重い感じにする


 ポ2の後の休符の長さをポ2に加算すると「ドゥーーーーンーー」みたいな感じになります。

(t8)  (f,>e)&(e,>>f+)r8.<<<

↓ 

(t8)  (f,>e)&(e*42,>>f+)<<<

 *42 はステップ数で、32 分音符 (*6) + 付点8分音符 (*36) を足した値です。

 

もっともっと重い感じにする


 ポ1とポ2を合体して、スタートキーを低く、エンドキーもぎりぎりまで低くすると、「ボゥーーーーーーンー」みたいな感じになります。サブベイスをピッチベンドするイメージで。イメージと言うかそのものだ!ポルタメントで書く必要は無い!

(t8)  (f,>e)&(e,>>f+)r8.<<<

↓ 

(t8)  (c4,>>>d+)<<<

 以下のように動きをつけるとアクセントによくってよ。

(t8)  (>c*5,<f+)&(f+*3,e)&(e*40,>>d+)<<

 C1 から F2 まで 5 ステップで移動し、F#1 から E1 まで 3 ステップで移動、E1 から F#-1 まで 40 ステップで移動。合わせて 4 分音符の長さです。トラップとかでよく使われるベイスっぽいやつです。

 

跳ねる感じにする


 ポ1を短くします。

(t8)  (f,>e)&(e,>>f+)r8.<<<

(t8)  (f*4,>e)&(e,>>e)r*2r8.<<<


 ポ1のスタートキーを 2 ステップ縮めて、ポ2の後に 2 ステ長の休符を入れ、ポ2エンドキーをちょいサゲました。以下のような書き方もアリです。

(t8)  (f,>e)&(e,>>f+)r8.<<<

(t8)  (f*4,>e)&(e*8,>>e)r8.<<< 

 ポ1のスタートキーを 2 ステップ縮めて、ポ2のスタートキーにそれを加算して 8 ステにしました。「ドゥンッ」 みたいな鳴り方になるはずです。

 ポ2も短くしてよりハネッハネッに。

(t8)  (f,>e)&(e,>>f+)r8.<<<

(t8)  (f*4,>e)&(e*5,>>e)r*3r8.<<< 

 ポ1を -2 ステ、ポ2を -1 し、ポ2の直後に削り取った長さ分の休符を置いて音がズレないよう処理をします。これをやっとかないと音がズレまくりなので、ステップ数の取り扱いは慎重かつ正確に行ってください。

 上記に加えて q も使って微調整します。これは鳴らし方調整の前にやることです。先に書いておくべき事柄なので上の方に移動したいのですが、ま・いっか。

 

分厚くする


 音を重ねる=厚みが増す=単純明快! 具体的には多重にしてデチューンを少しズラすのがポインヨです。音量に注意してネ。

(t8)  (f,>e)&(e,>>f+)r8.<<<

(t7) @v115 @125 @k0
(t8) @v115 @125 @k-1
(t7,8) (f,>e)&(e,>>f+)r8.<<<

 @k はデチューンを変えるやつ (キートランスポーズだかなんだか御大層な名前がついてます。アットケーでいいじゃないか) です。これも音色パラメーターや音の高さ同様、±1 づつ微調整します。 ±32 で半音アゲサゲです (8192 くらいまで指定できた気がしますが、気のせいの可能性大) 。@k0 は無変更 (元に戻す) ってことです。

 サンプリングして使うなら、マックスで 8 重にすることも可能。 

(t1,2,3,4,5,6,7,8) @v110 @125
(t1) @k-3
(t2) @k-2
(t3) @k-1
(t4) @k0
(t5) @k+1
(t6) @k+2
(t7) @k+3
(t8) @k+4
(t1,2,3,4,5,6,7,8) (f,>e)&(e,>>f+)r8.<<<

 デチューンをちょこっとづつズラすのがポインヨ。8 トラも使えばそうとう分厚いキックが鳴りますけど、4 トラックあれば十分です。


際立ってはいないが存在感はあり、穏やかでありながら力強く、えびの甘みもしっかり感じられる


 ややこしいので基礎 5 でやります。 


 基礎的な鳴らし方は以上です (意訳 : 飽きてきた) 。

 それぞれは別々のことではないので、あれこれ組み合わせ、自分だけのキックを独創してライバルに差をつけたりつけられたりしてください。「こんなことやらんわボケ」を積極的にやるのがコツ。

 キックの調整はすべての音がなっている状態 (曲を鳴らして) で行ってください。キック単音でキメキメに調整すると、曲を組んだときにしつこくなったり、違和感を与える奇異なもの (異物) 感が漂ってしまう傾向があります。FM 音源の原音で曲を創るなら尚のこと、ゆめゆめご留意を。 (←「ゆめゆめ」を使いたかっただけです)


まとめ


 以前も書きましたが、音色と鳴らし方を合わせて「音づくり」なので、基礎 4 と 3 、あるいは基礎 3 と 4 を組み合わせることで真価を発揮します。変幻自在の暗中模索です。

 よろしくお願いします。


0 件のコメント:

コメントを投稿